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学者のウソ


学者のウソ
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書評/社会・政治



最近、マスコミが生活者を躍らせるためにウソの情報を流した、として騒ぎになることが多い。もちろん、マスコミがウソ情報を流す行為は「悪いこと」なのだけれど、安易に乗っからない=自己防衛のために、メディアリテラシーを普通の生活者である僕たちこそが身に着ける必要が高まっているようにも思われる。

そもそも、マスコミで流される情報では話に信憑性を持たせるために、どこかの大学のセンセイがコメントをすることが多い。そうしてマスコミにしばしば登場し、その分野の権威としてコメントしたり、論争を展開する「学者」の言葉を鵜呑みにせず、議論の本質を見極めようと呼びかけている。
そもそも、「学者」が言っていることだから正しいのか?と、そう疑うことからはじめよう、というのが本書だ。


4章からなる本書の内容をざっと紹介すると、こんな感じだ。

第1章「学者のウソ」では、住基ネット、ゆとり教育、ダム論争といった記憶に新しい論争を例に挙げ、本質を見誤ったまま進む議論から生まれる「ウソ」を指摘している。

第2章「本来の学問」では、「科学」と「学問」の指すものについて検討し、それぞれの「学問」の特徴と傾向について、「ウソ」を生みやすい学問を列挙している。

第3章「学歴エリート社会の罠」では、社会に対する強い影響力を持ち、世論を操作して自分の既得権益を守ろうとするマスコミの「ウソ」を暴こうと試みる。そして、マスコミを利用するフェミニズムや、「倫理」という名の武器を振り回す学歴エリートたちの「ウソ」を突く。

第4章「ウソ見破る手立て」では、私たちを煙に巻こうとする「ウソ」を見破るための思考について考え、著者が提案する「言論保障制度」についての解説が続く。


読んでいて、著者が展開する論が粗雑であると感じた。フェミニズムや左翼的思想に対して批判を加える箇所が全体を通じて多いのだが、もっと丁寧に、冷静に論じてくれれば興味深い内容になりそうなものを、激昂しているのかと思われるほどの勢いで話を進められると、「おや?」と思ってしまう部分も少なくなかった。

それと、書名で「学者のウソ」としておきながら、本書の内容としては学者だけでない社会における権力(パワー)による「ウソ」についても頁を多く割いており、新書というボリュームの制約もあったのだろうけれど、どうしても論点がぼやけ、まとまりのない印象を受けてしまう。

個々のトピックとしては興味深いものが多いだけに、粗雑さとまとまりのなさで随分と損をしてしまっているなぁ・・・と感じる。僕の理解力が足りないせいもあるのだろうけれど、読んだ後に新しい知見を得た!と興奮を味わうこともなく、ちょっと疲れてしまった。

今後、もっと論点が絞られた、まとまりのある著書に期待して辛目の星2つ。


評価(★5つで満点):★★

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